マンションが早く売れる、いわゆる売りやすいマンションの条件とは何だと思いますか?
築年数や周辺環境、アクセスの良さなど要素はさまざまです…が、実は間取りも売りやすさに関わる大切なんです。
マンションで最も多い間取りが2LDKと3LD
中古マンション売る際、ワンルームや2LDKは比較的売りにくく、3LDKは逆に売りやすいという話をよく耳にします。
マンションが売れるかどうかは、マンションを購入したいと思う人の世帯人数に大きく左右され、確かに1人暮らしならばワンルームで十分ですし、夫婦2人ならば2LDKがぴったり、子供がいらっしゃる家族連れであればは将来の事を考えると3LDKにしようと思われることでしょう。
実際のところ、間取りによって売りやすさが変わるというのは本当?
今回はそちらをズバリ説明していきます✨
3LDKマンションが売りやすい、それって本当?
結論から言うと、3LDKマンションが売りやすいかどうかというのは「地域による」ので、全国のマンションを対象に総じて3LDKが売りやすいのかと言ったらそうでは決してありません。
つまり地域によって格差があり、オフィス街の近いマンションであれば3LDKよりも2LDKやワンルームの需要が高く、逆にベットタウンなどファミリー層のエリアとなれば当然3LDKの需要が多くなります。
ただし売りやすさを考える上で、マンションを買うのはどんな層なのか?買主の家族構成を考慮るのも重要な要素です。
2LDK
- 独身女性
- 子どもが独立した2人暮らしの夫婦
- 子どもを作らないと決めている夫婦
3LDK
- 新婚夫婦
- 既に子どもがいる家族
単身でありつつ広々とした家に住みたいと考える独身女性や、子供がいらない・もしくは独立した夫婦にはぴったりな2LDKのスペース、しかし必ずしもこの層の方が2LDKマンションを売却するとは限りません。
理由はそう、賃貸があるから。
わざわざ1人ないし2人暮らしのためにローンを組んで、2LDKマンションを買う層は実は意外と少ない!
購入よりずっとお手軽な賃貸を選ぶ人が結構多いんです(2LDKであれば家賃がお手軽なマンションも多いですしね)。
一方で、3LDKの賃貸も確かにあるものの、部屋が広い分都内でエリアにもよりますが平均20万前後と家賃も高くなるため、それならばいっそとローンを組んで購入を決意する人も多いのは事実。
また今2人暮らしであっても将来子どもが増えたときのことを考えて、また既に子供が居るため広いスペースを求めて、と購入したいと考える層は多いため、そういう意味では2LDKよりも3LDKの方が需要が高いと言えるでしょう。
動線の良い間取りは売りやすい
ここまで読んだだけだと「じゃあ3LDKマンションは売りやすいんだ!」と(3LDKマンションを所有されている方は)ほっとするかもしれません。
しかし「じゃあ3LDKあったら何でも売れるのか?」といったら決してそうではありません。
なぜなら売りやすさには、広さだけではなく間取りのタイプというのも大きく影響するからです。
売りやすい間取りのタイプって何なの?と思われるかもしれませんが、それはつまり「動線のよいレイアウト」という意味です。
「内覧で見た感じは一切気にならなかったけれど、住んでみると意外に不便だった」という話を聞いた事はないでしょうか?
一体その理由はなんでしょう?
理由はずばり「動線の悪さ」であり、事前に動線さえ確認しておけばこういった失敗を防ぐことが出来ます。
動線とは家での動きの流れを示した線であり、「家事動線」と「生活動線」という2種類があります。
家事動線
「家の間取りは家事がしやすい間取りになっているか?」ということ。
例えばキッチンや浴室・洗面所やトイレ・バルコニーが近い位置にまとまっていれば、料理を作りながら洗濯できますし、洗濯ものを干したり取り込むことだって可能です。
家事をするためにいちいちリビングや部屋を横断する必要がないため、短い移動で家事を効率的に行える間取り、これが家事動線が良い間取りだと言えます。
生活動線
家事と同様移動手段が短く1日のルーティンが行えるかという事は大事ですが、生活動線なら「家族が重ならないか?」という事も大事なポイントになってきます。
例えば
- 朝起きてから出かけるまでの行動が他の家族と混雑せずに行えるか?
- 来客の際にリビングがオープンに見られる設計ではないか?
など、生活するうえで不便な動線ではないか、というものです。
では次に、マンションの数ある間取りの中で「動線がよい」と言われているものを一部ご紹介しましょう。
3LDKのマンションを所持されていて自分のマンションはどんなタイプなのか?また3LDKをこれから購入しようと思っている方も併せて一度読んでみてください。
センターインタイプ
高級マンションに多い間取り、それがこの「センターインタイプ」です。
部屋の中央付近に玄関を配置し、寝室やリビング、個室がそれを取り囲むように配置されているユニークな間取りで、玄関を挟んだ部屋の構造となっているのでプライベートとパブリック空間を切り分けられ、家族とはいえお互いのプライバシー確保がばっちり出来ます。
また水回りが部屋の中心に集められている場合が多いので、「~しながら~する」といったながら家事がしやすい2way動線の間取りが多いと好評です。
中央に玄関を置くことで廊下が全体的に短くなるため、他の間取りに比べてリビングや個室が広々としており、また北向きに個室を置くので風通しがよく、南向きにリビングを置くことが一般的な日当たりの良いというのも大きなメリットの1つ!
また部屋同士が隣接している場合が多いので、ライフスタイルに応じて間取りの変更だったり、バルコニーを2面作る事ができたりとライフスタイルに応じて空間を使い分ける事も可能です。
良い所尽くしではあるものの、人気な間取りゆえに値段が他のものと比べて高くなってしまうこと、来客が来たときは必ず顔を合わせないと部屋移動が難しいというデメリットもあります。
ワイドスパン(センターリビング)タイプ
こちらは、最も暮らしやすいと言われる回遊動線(家の中をぐるっと回る事ができる設計方法のこと)で設計された間取り。
バルコニーへの間口が約7m以上と、とにかくバルコニーの入口が広いタイプのマンションの事を言い、リビングを取り囲むように部屋が配置されています。
リビングを部屋の中心に置いて隅に個室を配置されているタイプなので、お互いかち合う機会がおのずと多くなり、コミュニケーションがとりやすい間取りとなっています。
一方で例えば来客がリビングに来ている際は、別の部屋や洗面所側を経由することで顔を合わせずキッチンに行けるなど、とにかく便利なのが特徴的!
バルコニーが広くとられているお陰で部屋の奥まで光が届くため日当たりもよく、回遊動線のお陰で風通しも良いため、住みやすさで言えばワイドスパンタイプはかなりおすすめと言えます。
ただし個室がリビングに面しているためプライバシーに欠けていたりとデメリットはあるものの、家族の団らんを重視したい人にはぴったりです。
売るのに工夫が不可欠なマンションや間取り
最後に、少し売り方を工夫すべきマンションや間取りも紹介しておきます(決して売れないと言っているわけではなく、どんなマンションでも改善手段や売却手段はありますので気落ちしないでくださいね)
管理状態が悪い
やはり当然といえば当然ですが、どれだけ素晴らしい動線の良い間取りであっても、管理状態が悪いマンションは売りにくくなる可能性があります。
- マンションの清掃は住人たちでやる(清掃会社が入っていない)
- 管理費や修繕積立金に見合った管理がなされていない
マンションには、住居者が月々支払う管理費・修繕積立金で、住居者の代わりにマンション全体を管理・維持を任せる人や会社が存在します。
しかしその額が高額の割に管理状態が全く良くなかったり、あまりないケースではあるものの清掃は個人でやらなければいけないなど個人管理を任されているような状態の場合、買主がその管理体制に渋る可能性も。
対処方法
管理体制(管理会社)は、入居者たちの意思で変えられます。
もちろん一定数の賛成が必要だったりと手続きは大変です。
個人の一存では決められませんが、あまりに酷い場合は売却前に対応・改善する方法も存在するので、一度調べてみましょう。
マンションの隣に幹線道路・高速道路がある
やはりマンションやバルコニーのすぐ隣に道路や路線がある場合、買主は「騒音」を気にするもの。
電車や車通りというのは個人の裁量でコントロールできるものでは当然ありません。
実際そこまで騒音は気にならなくても第一印象で「ここはないな」と思われてしまう可能性があります(当然、気にされない方もいますよ)
対処方法
「マンションの防音がどれくらいなされているか?」で変わってきますが、特にあなたが住んでいて気にならないならしっかりと防音設備について説明する必要があります。
買主は最初は身構えてしまっているかもしれませんが、実際窓を閉めた状態でしばらく滞在してもらうと「大したことないですね」となるケースもたくさんあります。
道路や路線がすぐ隣にある=売れない、というわけでは全くないので、安心して下さいね。
ただし悩むほどに騒音が酷い場合は、あなた1人ではなくおそらく他の住居者も困っているはず。
皆で管理会社に相談するなどすることをオススメします。
3LDKマンションは他間取りに比べて売りやすい
繰り返しとなりますが、マンションの中で3LDKという間取りは、エリアによるものの他と比べて売りやすいことが分かりました。
賃貸で借りるには家賃が高すぎる、購入者層に子ども連れファミリーが多いこともあり、賃貸ならば2LDK、購入するならば3LDKという一種のボーダーラインになっているようです。
ただ一概に3LDKと言っても種類があります。
中でも売れやすいのはセンターインとワイドスパンという2種類のタイプだと紹介しました。
もちろん「じゃあうちはこの間取りじゃないから売れにくいの?」と言ったら決してそうではありません。
- 例えば角部屋なのでエレベーターが遠くて騒音が少ない
- 田ん字タイプなので値段も他競合物件より安い
など部屋によってそれぞれメリットは存在するので、この間取りじゃないから売れないという事は決してありません。
また何かしら負の状態があったとしても、売る前に多少なり改善すると、より売りやすくなる可能性だってあるんです。
マンション売却を考えている方は、一度自身のマンションの間取りやそれに不随するアピールポイントを洗い出して、どんなところが買主にうけそうかを一度精査してみましょう!
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