身内が亡くなってしまうと相続の問題が出てきますね。
遠い親戚であれば無関係でいられますが、亡くなったのがあなたの両親だった場合はこの問題に向き合わなければいけません。
特に、不動産を所有していた場合にはいろいろな手続きを行います。
今回は、亡くなった両親名義のマンションを、子どもであるあなたが売却する際の名義変更に関する手順について触れていきます。
以下、「父親」と記載しますが「母親」でもやるべきことは同じです。
お母さまが亡くなった場合は、父親の箇所を母親に読み替えてくださいね。
父親名義のままでは家を売れない
マンションを含めて不動産というのは、とても厄介なもの。
不用品をリサイクルショップへ売りに行くように簡単にできればいいのですが、不動産となってくるとそうはいきません。
不動産は、まず名義変更しなければ、どうにもなりません。
要は、亡父名義のままだと家を売れないのです。
マンションの名義を亡父からあなたへと変更する
そこで、マンションの名義をあなたへと変更しましょう。
まずは相続人全員で集まって話し合い、マンションの所有者を決める
相続人があなた一人だけなら話はスムーズに進みますが、複数人いるならマンションが共有名義になってしまうケースもありますよね。
もし共有名義になったら、その名義人全ての意見を「マンションを売る」で決めてから売却活動を始めましょう。
相続登記のやり方
故人名義のままではマンションを売れませんから、相続登記を行って名義変更をします。
名義を変えれば、相続した家、マンション、土地などを売却できるようになりますよ。
不動産の登録名義の変手続きを「相続登記」と呼びます。
2024年4月1日に相続登記の義務化が始まります。
先延ばしにすると手続きがややこしくなり、お金が余計にかかることもあるので注意が必要です。
できるだけ早急に名義の変更するのが◎です。
名義変更をもう少し難しい言い方で表現すると、所有権移転登記となります。
10万円以下の過料に処されます。
10万円も支払わなくてはいけないのは痛いですよね(>_<)
所有権の取得を知ってから3年以内に相続登記を行うことが義務付けられました。
所有権移転登記の流れ
- 登記簿謄本の取得し不動産の権利関係の確認をする
- 戸籍謄本の収集をし、相続人の確定をする
- その他の証明書として住民票や評価証明書の取得する
- 遺産分割協議書や登記関係書類といった必要書類の作成をする
- 必要書類への署名捺印
- 登記申請書と添付書類の提出をし、管轄の法務局へ登記を申請する。
集める書類は多い
用意する書類と費用については、事前に調べておきましょう。
集める書類は相続登記の内容によって変わってきます。
必要な書類一覧
- 亡くなった人の戸籍謄本、住民票の除票もしくは戸籍の附票(故人の身の上や住まいを裏付けする書類)
- 法定相続人みんなの戸籍謄本
- 遺産分割協議書(法定相続人全員の印鑑証明書付)
- 財産をもらい受ける人の住民票
- 財産をもらい受ける人からの委任状
- 1番新しい年度の相続不動産の固定資産評価証明書
- 相続する物件の登記簿謄本
もちろん、ケースバイケースなのでさらに別の書類が必要になってくることもあるでしょう。
相続登記(名義変更)の手続きは法務局・郵送・オンラインで!
相続登記は、専門的な用語だと「相続を原因とする所有権移転登記」にと言います。
法務局は不動産の所有地により管轄している区分が異なります。
もし同じ地域にかたまって物件がいくつかあるなら、それらを管轄している一つの法務局で手続きを行えますね。
ですが、いくつもの不動産が複数の市区町村にまたがっているときは、物件を管轄する法務局が異なるケースも考えられます。
そのような場合は法務局ごとに手続きしなければならず、ちょっぴり面倒ですね(>_<)
申請書類を作成したら、管轄の法務局で申請します。
不備がなければ、1~2週間ほどで終わるでしょう。
また、郵送やオンラインでも手続きができます。
相続登記はプロにおまかせするのがオススメです。
相続登記はその知識と豊富な時間の余裕があればあなた自身でも行うことはできます。
ただ、自分でやろうと思うと書類作成がなかなかしんどいです。
法務局で相談しつつ作成もできるけれど、やはり難しい部分も多い・・・。
かなりの労力と時間が要るので、個人的にはプロにおまかせした方がラクだと感じます。
日本では司法書士に委任して登記を行うケースが多いですよ。
相続登記費用
ケースバイケースなのですが、名義変更のみを司法書士に任せるのであれば3~5万円ほど。
必要な書類の収集も含めてすべてを司法書士にお任せするといった形であれば7~10万円ほどかかるものと考えておきましょう。
先にも書いた通り、名義変更はその不動産の管轄の法務局ごとに申請します。
もし複数の法務局にまたがるのであれば、その分、費用もかさみます。
名義変更後には不動産会社とマンションの売却話を進める
名義変更が完了すれば、その不動産は晴れてあたなのもの
これで売却するのに制限はなくなりました。
次は、不動産会社と具体的に家の売却の話を進めていきましょう。
ただ、少しでも高い金額で売りたいならば、事前にしっかりとデータを集めましょう。
今は不動産一括査定サイトといったものもありますので、そういったものを活用して、事前に家の相場を把握できますよ。
「マンションを売る」と一口に言っても・・・。
不動産会社に買い取ってもらうのか、または仲介してもらって買い手を見つけるのかといった選択ができます。
前者だとすぐに売却できる分、仲介よりも安い金額で手放すことになります。
一方後者では、より高い売却価格が期待できるものの、売れるまでにはそれなりの時間がかかります。
同じ物件あっても、どこの不動産会社を利用するのか、どんな形で売却を進めるのかによって売却価格にもかなりの差が出てきます。
どれだけ安くてもいいからとにかく早くに売却したいという方以外であれば、不動産会社と売却方法の吟味はとても重要なポイントになってきますよ。
空き家のままにしておけない経済事情。
突然親が亡くなって、空き家が手元に舞い込んできて困ったということもあるでしょう。
今の生活をすぐに変えるのは難しい・・・。
例えば、実家を相続するとき。
既に自宅を持っているときには実家に戻れませんよね。
仕事や育児などが終っていれば自宅を引き払うこともできるでしょうが、今の生活を変える訳にはいかないならば実家は空き家状態になってしまいます。
空き家を放置すると税負担6倍!
空き家状態になったとき、何もせず放置ができるのかというと、「特定空き家等に対する措置」がありますからそれは難しいです・・・。
それはどういうことかというと、全国的に空き家問題が取り沙汰されたことから、法律で特定空き家等に対する措置が講じられます。
適切な管理がされてない空き家は固定資産税の優遇措置が外されて、税負担が跳ね上がってしまうのです。
空き家だからといって、何もしないわけには行かず定期的に換気やメンテナスなどをしなければいけない、となればそのための費用が大きくなってしまいます。
固定資産税などの維持費がのしかかっているなら、たとえ思い出がある家でもスッパリ手放してしまったほうが良いでしょう。
空き家になった実家の売却方法
手段は2通り。
- 建物のまま売却する
- 建物解体→更地状態で売却する
①なら解体費用がかからないのでラクです。
一方で②は、新築住宅を建てたくて更地を探している買い手にもアピールできます。
金銭的な問題ではなく、思い出のつまった実家を壊せるのか、という点も考慮して決断をしていくことになります。
売却するにあたって、たいてい不動産会社と契約しますが、田舎などではあまり需要がなく買い手がなかなか見つからないこともあるでしょう。
なかなか売れないなら、契約会社を変えてみると結果も違ってきますよ。
全国的な大手に任せたほうが安心感があるでしょうが、空き家売却を専門、または得意とする会社もあるので、そういったところに任せた方が早く片付くでしょう。
優良な不動産会社の選び方は、「不動産屋の選び方5つのポイント【マンション売却編】」を読んでくださいね^^
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