売却しても同じ家に住み続けられる「ハウスリースバック」というシステムが近年、注目されています。
この制度を利用すれば、一度にまとまった資金を手にでき、しかも同じ家に住み続けられるのです。
まるでメリットしかないような、おトクなサービスのように感じますよね。
でも、このハウスリースバック、本当にお得な仕組みなのでしょうか?
「営業マンがすごくオススメしてくるんだけど、本当なのかな?」
「お金に困っているからハウスリースバックを検討しているけど、最終的に損しないのかな?」
結論を先に申し上げると、ハウスリースバックはオススメしません(>_<)
なぜなら最終的には利用者側が大損する仕組みになっているからです!
お金に困ってハウスリースバックを利用するのなら、最初から売却した方が良いですよ。
ここでは、ハウスリースバックのシステムや、問題点、口コミや評判を紹介しますね。
更に、なぜこれらを活用するよりも思い切って売却した方が最終的におトクなのかをお伝えします(*^-^*)
ご自宅を利用して資金調達しようと悩んでいるあなたは、ぜひ参考にしてくださいね✨
ハウスリースバックの特徴や仕組みについて
ハウスリースバックとは、現在所有している自宅を不動産会社に買い取ってもらい、一定の家賃を支払い続けることで同じ家に継続して住むことができるサービスのこと。
自宅に住み続けながらまとまった資金を調達できる方法として、近年特に注目されています。
ハウスリースバックを最初にサービス開始して2013年より展開している「ハウスドゥ」では、年々の問い合わせが増加傾向にあるようです。
ハウスリースバックの仕組み
ハウスリースバックを利用する際は、以下のような流れになります。
- ハウスリースバックのサービスを提供している不動産会社に相談する
- 自宅の訪問査定
- 売却価格とリース料(家賃)の決定
- 不動産会社と売買契約を結ぶ
- 自宅の売却金を不動産会社より受け取る、賃貸契約を交わしてリース開始
このように自宅は不動産会社の所有物となり、以前までの家主は「賃貸人」となるわけです。
さらに、「やっぱり自宅を買い戻したい!」と思ったときには買い戻すことも可能となっています。
ハウスリースバックは簡単にまとめると、以下の特徴があります。
- 自宅の売却金額が一括で手元に入るので、まとまった資金が手に入る
- 自宅を売却するが、引っ越しせずに済む
- 住宅ローンを完済できる
利用するためには一定の条件があります。
それが「オーバーローン状態(自宅の売却価格がローンの残高より高いこと)」。
この状態でないと金融機関の抵当権が外せないため、査定額によっては拒否されることもあります。
ハウスリースバックはどんな人が使っているの?
ハウスリースバックを実践している人は、以下に該当するケースが多いです。
- まとまった資金を手元に入れておき、再度お金が溜まったら自宅を買い戻したいと考えている
- 事情により住宅ローンを精算したいが、家族のことを考えて引っ越しをしたくない
- 老後の資金を確保したい
- 自宅が資産ではなくなるので、相続時のもめごとを回避したい
とくに「事情によって大金を用意しなければならないが自宅を売りたくない人」が多いですね。
ハウスリースバックとリバースモーゲージとの違いはなあに?
ところでハウスリースバックとよく引き合いに出されるモノに「リバースモーゲージ」という制度がありますね。
両者とも「自宅を活用してまとまったお金を手に入れる」方法ですが、その方法や中身は大きく異なります。
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージとは、現在住んでいる自宅を担保にして金融機関等から資金を調達する方法です。
担保にしている間は自宅にずっと住めて、契約が満期になるか契約者が死亡すると不動産が売却されて、借入金の精算がされる流れになっています。
両者の特徴を比較
両者の違いを簡単にまとめると、以下のとおりです。
リバースモーゲージ
- 資金は「金融機関からの借入金」
- 不動産は自分の所有(契約満期または死亡時に売却される)
- 金利の支払いのみ求められるケースも
- 「50歳以上」と年齢制限や物件制限があることもある
- 手にした資金は金融機関によって使途が制限される
- 同居者は「配偶者のみ」という制限が多い
ハウスリースバック
- 資金は「自宅の売却金」
- 不動産は不動産会社のもの
- 毎月一定の賃料が発生
- 利用条件が緩い(立地条件や年齢制限などがない)
- 手にした資金の使途は自由
- 同居者の制限なし
比較すると、リバースモーゲージは「老後資金の確保」の面が強く、ハウスリースバックは「自由度が高い」ことがわかりますね。
リバースモーゲージとハウスリースバックは、このように中身が大きく異なります。
ハウスリースバックの魅力やメリット
では、ハウスリースバックを利用することでどういったメリットがあるのでしょうか?
その大きな魅力は主に4つあります。
まとまった資金をすぐに手にできる
ハウスリースバックでは、おおよそ1ヶ月前後で売却金額を手にすることができます。
通常の売却では3ヶ月~半年かかることが多いので、これは大きなメリットでしょう。
しかもその資金の使いみちは自由ですから、住宅ローンの返済以外にも生活費・カードローン返済などにも使えるので便利です。
自宅を売却したことは周囲に隠せる
自宅を売却したとしても、引っ越す必要がないので周囲にバレることがありません。
また、相談をすれば不動産会社側でも情報が漏れないように配慮してくれます。
将来的には自宅を買い戻せる
「思い出に残っている自宅を手放したくない」そう思っている人も多いことでしょう。
ハウスリースバックなら、一旦は業者の所有物件になりますが、将来的に資金の調達が見込めるなら買い戻すこともできます。
「あのとき自宅を売らなければ…」と後悔することがないということですね。
維持費やローンの負担がなくなる
自宅を売却して住宅ローンを完済させれば、毎月のローン返済という負担から解放されます。
また、自宅を所有していないので、「固定資産税」「管理費」「修繕積立金」といった維持費の負担がなくなるのもポイントです。
このようにハウスリースバックのメリットを並べてみると「なんだかおトクじゃん!」と思われるかもしれません。
しかしその反面、問題点やデメリットも多くあります。
ハウスリースバックの問題点やデメリット
ハウスリースバックを検討するのであれば、以下のような問題点・注意点をしっかりと理解しなければなりません。
売却価格は相場よりも低い
ハウスリースバックを利用して不動産会社に売却するときの価格は、間違いなく相場より低い金額になります。
相場のだいたい「6~7割程度」になることが多いです。
不動産会社としては、この制度による利益を確保しておきたいため(リース後に売却するときの利益確保など)、低い売却価格を提示しているのです。
長期間にわたってリースをすると損
ハウスリースバックの年間リース料は、売却した価格の「1割」となるように計算されています。
ということは、120ヶ月間=10年間住み続けると、ちょうど売却価格と等しくなる、ということですね。
しかも同じ家に住み続けている間、家は劣化して資産価値は低下していきます。
通常なら家の価値が下がるに従って賃料も安くなることが多いのですが、ハウスリースバックのリース料はずっと一定です。
10年近く住み続けると売却金額と同じ金額を不動産会社に支払うことになりますし、その後も契約を継続すれば一定のリース料をずっと払い続けるしかないので、損しかありません。
買い戻すときの価格が売却価格より高い
将来的には買い戻せることを解説しましたが、その価格は売却した価格よりも高く設定されます。
例えば、売却価格が1,500万円だった自宅を買い戻すのに、1,800万円も必要になる、と言った感じです。
つまり自宅は再び所有できるけど、その分お金が余計にかかる…ということですね。
長期間住み続けられるとは限らない
ハウス・リースバックで自宅の所有権を手放した後は、不動産会社と定期賃貸借を結ぶことで、手放した自宅にずっと住めます。
これは通常、2~5年で更新される「有限」の契約です。
更新が無期限でできている間は問題ないのですが、それでも不動産会社の仕様変更によって住み続けるのが難しくなるケースだってゼロではありません。
ハウス・リースバックの口コミや評判は?
ハウスリースバックに対する世間の声が気になるものですよね。
その主な評判・口コミを見てみましょう。
ハウスリースバックを検討したものの…
ハウスリースバックの仕組みに疑問や不安を感じている人も多い
ハウスリースバックは一見すれば美味しい話のようですが、「その裏には何かあるのでは?」と疑問に思う方も多いことがわかりますね。
インターネット上にある口コミや評判まとめ
ハウスリースバックには一定のメリットはあり活用する人が実際にいる一方で、その仕組みに疑問や不安視している人が多いこともわかりますね。
たしかに不動産会社が提供している情報を読むだけだと魅力ばかりが羅列されていて、問題点・デメリット面がわかりづらくなっています。
きちんと正しい情報を取り入れて制度の仕組みを理解しないと、あとで「やっぱり利用するんじゃなかった…」と後悔しても後の祭りなのです。
とくに、「とにかく資金を調達したい!」と考えてハウスリースバックを検討している人は要注意です。
ハウスリースバックと売却、どちらがお得なのか?
ここまでで、ハウスリースバックの仕組みや特徴がご理解頂けたと思います。
まとめると、住み慣れた自宅にいられる一方で、長期的に見ると経済的に損をしてしまう仕組みとなっています。
ですから、もしもハウスリースバックにてお金の調達を検討している人がいるのなら、ここでは「売却する」方法を強くオススメします。
ハウスリースバックは「どうしても自宅を手放したくない人」向け
「損をしたって構わない!一時的に資金調達してあとで買い戻したい!」と強い希望がある方にはハウスリースバックが向いていますが、下記に該当する人にはオススメしません。
- 自宅にあまり未練はない
- とにかくまとまった資金が欲しい
- いつかは自宅を離れる予定だ
前項でも解説しましたが、ハウスリースバックは将来的に買い戻しても、こちらが大損する仕組みです。
また住み続ける期間が長くなればなるほど、リース料の負担も大きくなります。
ですからまとまったお金を手にしてなるべく損害を回避するのなら、最初から「売却」を選択したほうが賢い選択です。
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まとめ
以上、ハウスリースバックの特徴についてご紹介しました。
ハウスリースバックは「自宅をどうしても手放したくない」「事情があって引っ越しができない」人以外には、オススメできません。
まとまった資金を最初に手にするのであれば、最初から売却したほうが高く売れますし、ハウスリースバックと比較すれば圧倒的に損が少ないでしょう。
そして、あなたの大切なマンションを後悔せずに売却するためにも、不動産一括査定サイトを賢く活用しましょう!
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